はじめに
弊社GeekBeerは、低アルコールビールを専門に製造する飲料メーカーです。 今回、以前製造した低アルコールダークエールの酵母レスバージョンとして、酵母を使用しない醸造に挑戦しましたので、その内容を記事にしようと思います。

前回記事はこちらです。
レシピ設計
レシピの方向性です。出来上がり量は2Lぐらいになります。 前回レシピの差分が知りたかったので、仕込み量は半分にしました。
- 水:2.5L
- ベースモルト:Morgans Dark Ale 125g
- ホップ:East Kent Goldings 5g(ドライホッピング用)
- 炭酸ガス:DrinkMateで強制カーボネーションしました。
醸造プロセス
仕込み手順はだいたい以下の通りです。
Day 1: 仕込み
- 鍋を熱湯消毒(沸騰させて冷ます)
- Morgans Dark Ale 125gを温水で溶かす
- 水を足して合計2.5リットルに
- 20-25℃まで冷却
- ラップで覆う
- ホップを投入してドライホッピング
Day 2-3: ドライホッピング
前回の仕込みではカビのような浮遊物が発生したため、ドライホッピング期間を短縮しました。 今回の仕込みは差分検証が目的のため、ドライホッピングも同じような時間で行います。
味の感想
前回との比較になります。
- ベースの味わいは一緒
- 苦味を強く感じる
- ドライホッピングの時間が微妙に長かったかもなので、ホップ成分がより出てた可能性はあります
- 前回にはあまり感じなかった渋味を感じる
- 後味がよりクリアで、ボディが薄っぺらいといえば薄っぺらいかも
- 前回の仕込みは冷蔵庫で時間をおいたほうが美味しく感じたので、酵母による熟成工程はかなり重要かもしれない
というわけで、酵母なしで醸造してみた感想になりますが、わかったこととしては酵母はやはり重要、ということでした。 後味だけでなく、ホップの青臭さを和らげる効果もあるように感じました。今回の仕込みでは、ホップの青臭さが舌に残りやすい気がしました。
まとめ
低アルコールビールの醸造にLA-01という酵母を使用しているわけですが、これがそんなに効果があるのか疑問だったので、今回は差分検証してみました。 酵母なしで同じような味わいが製造できるのであれば、管理も楽だし、コストも下がるので良いかなと思ったのですが、やはり酵母は重要でした。 特に後味の部分で、酵母がもたらす複雑さは無視できないなと感じました。
というわけで、今度は別の差分を検証して、また記事にしたいと思います。 今回の記事で参考にした低アルコールダークエールの醸造記事と、ホップ水のレシピ記事もぜひご覧ください:
それでは、楽しい醸造ライフを! 乾杯!